
私たちの会社のメンバーは女性の割合が90%ほどです。
今に始まったことではありませんが、女性が働くということにおいて、ジレンマに感じることが多々あります。
例えば130万円の壁問題。
( 130万の壁に関する詳しい説明はこちら https://nomad-saving.com/26415/ )
弊社は物流センターを自社で全て運営をしているのですが、その運営を支えてくれているのはアルバイト・パートタイムの女性です。多くのメンバーは配偶者の方の扶養の範囲内で働いています。
物流センターでは業務の生産性を測る指標があり、生産性に応じて評価(時給)が上がる仕組みになっているのですが、仕事熱心で優秀な方は少しずつ時給が上がっていきます。しかし、時給が上がったからといって、給与の総額が増えるわけではありません。
というのも、社会保険の扶養の範囲内で働いている方は、年間130万円という収入の上限枠があるため、月に約11万円以上の給与になってはいけないからです。
優秀なパートさん
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時給が上がる
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給与の総額は変えられない
↓
結果的に、働く時間を減らすしかない
会社側としては優秀であるからこそ沢山働いてもらってたくさん稼いでもらいたいのに働く時間が短くなってしまうという、非常にありがたくない状況です。
で、働いているメンバーはというと、「働く時間が短くなってラッキー」という人は案外少なく、優秀であるが故に責任感も強く、「私が頑張らなければ!」と感じてくれているケースも多く、そういった方にとっては働く時間が短くなることは、必ずしも喜ばしいことではないわけです。
じゃあ130万の壁を気にしなければいいのでは?
と思わなくもないですが、ここを越えるためには年収が130万から一気に180万円ほどまで増えないと手取り金額自体が上がりません。これを実現するのは、働く人にとっても会社側にとってもなかなか簡単なことではありません。
あとは世の中でもずっと叫ばれていることですが、保育園問題です。
つい先日も新たなメンバーを採用しようと思い面接をさせてもらっていたのですが、今までにも何度もあったこのパターン。
仕事をしたいが子供が小さいので保育園に預ける必要がある
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仕事をしていないので、保育園に入園することがほぼ不可能
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親は近くにおらず頼れない
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保育園以外の保育サービスもあるが、費用が給与以上に高い
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でも仕事をしないと保育園に入園できる可能性すらないので、収支がマイナスになってでても預けて仕事をするしかない
会社側としてはぜひ働いて欲しいと思っても、収支がマイナスになってでも働く、というのは決していい状態ではありません。
こうした課題を解決することは決して簡単な事ではなく、女性の力が必要不可欠である私たちの会社にとって非常にジレンマに感じる部分であります。
とはいえ、現行の制度に不満を言ったところで何かをすぐに変えられるわけではないので、今はとにかくお客様に喜んでいただけるよう商品・サービスを拡充し売上を増加させ、企業努力により利益を捻出し、その利益を社内のメンバーがより働きやすい環境を作るための投資に回していく努力をしていきたいと思います。
株式会社ハートフィール
代表取締役 齋藤貴史